私の家では父(現在67歳)が数年前から膀胱がんを患っていることもあり、度々高額療養費制度の申請をしています。とても有難い制度なのですが、入院時の食費や雑費など、高額療養制度の対象にならない項目もあるので、注意が必要です。

そこでこの記事では、「実際に父が入院したときの領収書」を元に、対象になる項目・ならない項目を確認してみました。また、「高額療養費制度を申請することで、いくら戻るのか?」計算も行っていますので、良かったら参考にしてみて下さい。

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高額療養費制度とは?

高額療養費制度とは「入院や手術などで医療費の支払いが、月間で一定額(自己負担上限額)を超えた場合、超えた分を支給してくれる」とても有難い制度です。

自己負担上限額は本人の所得によって、次の表のとおり5区分に分かれています。(※70歳未満の場合。)
自己負担額
厚生労働省ホームページより引用
※健保:会社の社会保険(協会けんぽ)に加入されている方。
※国保:国民健康保険に加入されている方。
※標報:社会保険の標準報酬月額。
自分の標準報酬月額の調べ方についてはこちらの記事に詳しくまとめましたので、良かったら合わせてご参照ください。
標準報酬月額の正確な計算方法と調べ方!交通費や賞与、残業代は?

つまり、1ヶ月間で上記の自己負担上限額を超えた医療費については、国が負担してくれる。というわけです。ちなみにうちの場合は、上から3番目に該当するので、月間の医療費上限が80100円+αで約9万円以内って感じです。

ただ、入院時の食事代など、高額療養費に該当しない項目もあります。この点ややこしいので、「先日父が約3週間入院したときの領収書」を元に確認してみたいと思います。

入院時の食費などはどうなるの?高額療養費の対象を確認!

以下は、2016年9月5日~24日まで父が入院したときの領収書です。

医療費明細
※画像をクリックすると大きくなります。

紫枠:病院の窓口で支払った金額:208378円。
黒枠:総医療費。点数表示になっていますが、10をかけた634830円が総医療費です。
赤枠:医療費の保険自己負担分(3割):190450円
緑枠:食事などの自己負担分:合計17928円

高額療養費の対象となるのは、赤枠:医療費の保険自己負担分(3割)だけで、緑枠:食事などの自己負担分は該当しません!

それでは「高額療養費制度を申請することで、いくら戻ってくるのか?」実際に計算してみましょう!

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いくら戻ってくるのか?計算してみよう!

高額療養費 計算

【ステップ①自分の月間医療費上限額を確認する。】

うちの場合は、上記の所得区分で上から3つ目に該当するので、「80100円+(医療費-267000円)×1%」です。※医療費は自己負担分だけなく総医療費ですのでご注意ください。

80100円+(634830円-267000円)× 1% 
= 83778円=月間医療費上限額


【ステップ②戻ってくる金額を計算する。】

医療費の保険自己負担分-月間医療費上限額

190450円-83778円
= 106672円


高額療養費制度を申請することで、今回は106672円戻ってくることがわかりました。

その他の注意事項

最後にその他の注意事項を確認しておきましょう。

戻ってくるのはいつ?

高額療養費は、病院での窓口清算から、約3ヵ月後に支給されます。

「限度額適用認定証」を発行して提示すれば、窓口での清算が自己負担額(高額療養費が差し引かれた金額だけ支払う)までで済みます。

「約3ヵ月後かぁ・・・」と、資金繰りが心配な方はこちらの「限度額適用認定証」を参考にしてみてください。

限度額適用認定証は即日交付可能!高額療養費制度の申請方法と必要書類

入院時の宿泊代は?

入院時、大部屋(6人部屋)の場合、ほとんどの病院で宿泊代はかかりません。ただ個室(1人部屋)の場合は、差額ベット代がかかります。この差額ベット代については、高額療養費制度の対象外となるため、全額自己負担となります。

遡っての申請は出来るの?

2年間は遡って申請することができますが、2年を超えてしまうと権利がなくなってしまうのでご注意ください。

終わりに

我が家の領収書明細をみると、高額療養費の対象外となるのは、(大部屋であれば)食事自己負担分くらいです。食事代は自宅にいてもかかりますから、これは仕方ないですよね。

それでは今日も最後までお読みいただきありがとうございました。この記事が少しでもあなたのお役に立てたら幸いです。

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