配当控除 確定申告 書き方記入例

株の配当金や株式投資信託の分配金は、受け取るときにすでに税金が源泉徴収されているので、確定申告する義務はないのですが、課税所得が695万円以下の方は、総合課税で確定申告すると配当控除による税金の還付を受けられます。

この記事では、「課税所得」の確認方法と、配当控除で節税したい方を対象とした確定申告書類の書き方と記入例をご紹介させていただきます。

※当記事は課税所得金額が695万円以下の方を対象に書かせていただいております。(詳しくは本文にてご説明させていただきます。)

また、去年の株取引で損失が出てしまい、「配当金との損益通算」と「損失の繰越(繰越控除)」をする人はこちらの記事をご参照ください。
株の損失を損益通算して繰越控除!確定申告の書き方と記入例(第三表、計算明細書、付表)

【当記事の記入例設定】

会社員の佐藤さん(50歳)は、給与収入のほかに株の配当金を受け取りました。会社で年末調整はしましたが、友人から「配当控除で税金の還付が受けられる。」と聞き、確定申告を行います。

給与年収:580万円
配当金:2社で71000円(上場株式)
社会保険料:681223円
生命保険(旧一般生命保険):年間12万円を支払っている。

(配当金内の訳)
①A株式会社 31000円
内)源泉徴収 所得税:4747円 住民税:1550円
②B株式会社 40000円
内)源泉徴収 所得税:6126円 住民税:2000円

(家族構成)
妻(パート収入103万以内)
長男(16歳)

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はじめに:配当控除で得する人はどんな人?課税所得とは?

冒頭に書いた通り、課税所得が695万円以下の方であれば、配当控除による税金の還付を受けることが出来ので、まずは課税所得を確認してみましょう。

課税所得は会社から受け取った源泉徴収票を見ればだいたいの見当がつきます。良かったらご自身の源泉徴収票を見ながら、ご一緒に課税所得を計算してみてください。

【源泉徴収票サンプル】
源泉徴収票4

まず、上記源泉徴収票サンプルの赤枠から青枠を引きます。

4100000円-1871223円=2228777円

次に、上記で計算した2228777円に去年受け取った配当金を足します。(※源泉徴収税額が引かれる前の金額です。)今回は配当金71000円を受けたったと仮定し計算を行います。

2228777円+71000円=2299777円

この2299777円の千円未満を切り捨てた2299000円が課税所得です。

この金額が695万円以下であれば確定申告した方が得なので、今からご紹介する書き方・記入例を参考に確定申告しましょう!

事前に準備するもの

次の書類をお手元にご準備ください。

  • 確定申告書AまたはB
  • 会社から受け取った源泉徴収票
  • 配当金計算書(または配当金通知書)

会社員や公務員などの給与所得者の方は確定申告書Aを、自営業の方などは確定申告書Bを使用します。こちらからダウンロードできますので、よかったらご利用ください。※ただし、複写ではないので提出前にコピーをとる必要があります。
↓ ↓ ↓ 
確定申告書 A様式 ■確定申告書 B様式

確定申告書第二表の書き方と記入例

第二表から書いていきますので、第二表と源泉徴収票をご用意ください。まずは源泉徴収票から青①②③④を書き写します。青④の生命保険料はご自身の該当する項目にご記入ください。
※その他の控除(地震保険料控除や住宅ローン控除など)のある方は源泉徴収票を参考に記入してください。

源泉徴収票1(修正後1)

【確定申告書第二表 記入例】
第二表(記入例あり)2

赤① 住所・氏名を記入します。

確定申告前後に引越しをされる方は、「記入する住所」や「提出先の税務署」についてこちらの記事も参考にしてみてください。
確定申告時期に引越して住所変更する時の注意点!提出する税務署は?

赤②まずは、「所得の種類」を「給与」。その右隣に「勤務先の会社名」を記入します。

続いて配当所得を記入します。「所得の種類」を「配当」と記入。その右となりに「配当を受け取った会社名」、「配当収入」、「源泉徴収税額」を記入します。

源泉徴収税額は、「配当金計算書(通知書)」に記載されていると思いますが、上場株式の場合は「配当収入」の15.315%、非上場株式の場合20.42%です。

今回の記入例は上場株式の配当金なので、

A株式会社
31000円×15.315%
=31000円×0.15315
=4747円 ※1円以下は切り捨て

B株式会社
40000円×15.315%
=40000円×0.15315
=6126円

となります。

赤③ 源泉徴収税額の合計額を記入します。今回の記入例では、127931円+4747円+6126円=138804円

赤④ 「所得の種類」に「配当」、その右に「配当を受け取った会社名」、「配当収入」、「必要経費」を記入します。

ここに記入する「配当収入」は、源泉徴収税額が引かれる前の総収入金額です。「必要経費」には、「株式を借入金で購入している場合の利子」などを記入します。それ以外は基本無記入でOKです。

赤⑤ 16歳未満の子供がいる場合は、こちらに子供の名前・続柄・生年月日・マイナンバーを記入します。

赤⑥ 住民税に関して、会社に給与以外の収入があることを知られたくない場合は、「自分で納付」にチェック。

赤⑦ 配当金の中で、源泉徴収されている住民税5%分の金額を記入します。

赤⑧ 上段に「源泉徴収票のとおり」と記入し、合計金額も記入しましょう。

赤⑨ 配偶者の氏名・生年月日・マイナンバーを記入し「配偶者控除」・「配偶者特別控除」のどちらかにチェックします。※奥さんが配偶者控除・配偶者特別控除どちらに該当するか?わからない場合は、こちらの記事に詳しく書かせていただきましたので、良かったら参考にしてみて下さい。

配偶者(特別)控除の計算方法と書き方。年末調整と確定申告書記入例
確定申告:配偶者や扶養親族の所得の計算方法!収入とは違うので注意

赤⑩ 扶養親族の氏名・続柄・生年月日・マイナンバー・控除額を記入します。※扶養親族の控除額等についてはこちらの記事をご参照下さい。

扶養控除:学生の子供や親の控除額は?年末調整・確定申告記入例付き!
確定申告:配偶者や扶養親族の所得の計算方法!収入とは違うので注意

赤⑪ 赤⑩の控除額合計を記入します。

※当記入例にはありませんが、小規模企業共済等掛金控除、地震保険料控除、寡婦控除、障害者控除に該当する場合は、源泉徴収票に記載されているはずなので、源泉徴収票を見て書き写してください。
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確定申告書第一表の書き方と記入例

続いて第一表を書いていきましょう。先程と同じく、まずは源泉徴収票から青①②②④を書き写して下さい。

源泉徴収票3(修正後2)

【確定申告書第一表 記入例】

第一表2

赤① 記入例の通りに住所・氏名・生年月日・電話番号・マイナンバーなどを記入し、捺印します。引越した人で、今年の1月1日の住所と現住所が違う場合は旧住所も記入してください。

生年月日の1つ目の枠(記入例で「3」と記載している部分)は次のとおり記入してください。

明治→1
大正→2
昭和→3
平成→4

赤② 配当金の収入金額を記入します。※源泉徴収税額が引かれる前の金額です。

赤③ 配当所得(「赤②配当収入」から「借入金の利子などの必要経費」を引いた金額)を記入します。※必要経費がない場合は、赤②をそのまま記入してください。

赤④ 所得の合計金額を記入します。

【記入例】

給与所得:4100000円
配当所得:71000円
合計:4170000円

赤⑤ 該当する所得控除を記入します。基礎控除については全員共通で38万円です。

(記入例)
社会保険料控除:681223円 ※源泉徴収票から転記
生命保険料控除:50000円 ※源泉徴収票から転記
配偶者控除:380000円 ※パート収入103以内の妻
扶養控除:380000円 ※16歳以上の子供一人
基礎控除:380000円 ※全員共通

その他の所得控除に該当している場合は、源泉徴収票から書き写しましょう。控除額ついてはこちらの該当記事をご活用下さい。

赤⑥ 所得控除⑥~⑮の合計金額を記入します。

赤⑦ 雑損控除・医療費控除・寄付金控除に該当する方はそれぞれの控除金額を記入します。医療費控除・ふるさと納税についてはこちらの記事をご参照下さい。

赤⑧ 赤⑥⑦を足した金額を記入します。

赤⑨ 赤④から赤⑧を引いた金額を記入します。※1.000円未満は切り捨てて下さい。

赤⑩ 税額を計算し記入します。下記税額表の計算式に当てはめ、税額を算出しましょう。
「平成30年分 所得税の税額表」
税額表

【計算式】
「所得税額」=「課税される所得金額」×「税率」-「控除額」

(記入例)
「所得税額」=2299000円×10%(0.1)-97500円
132400円

赤⑩ 配当控除額を計算して記入します。課税所得1000万円以下の方の配当控除額は、配当所得の10%です。※課税所得とは、確定申告第一表赤⑨の金額です。

【記入例】

71000円×10%
=7100円

赤⑫ 赤⑩から赤⑪を引いた金額を記入します。

【記入例】

132400円-7100円
=125300円

※他の税額控除等(住宅ローン控除・政党等寄付金等特別控除など)がある場合は、合計額を算出し記入してください。また、住宅ローン控除については、こちらの記事を参考にしてみてください。

赤⑬ 赤⑫と同じ金額を記入してください。

赤⑭ 復興特別所得税を計算し、記入します。赤⑬に0.021をかけた金額(1円以下は切り捨て)が復興特別所得税になります。

【記入例】

125300円×0.021
=2631円(※1円以下は切り捨て)

赤⑮ 赤⑬⑭を足した金額を記入します。

【記入例】

125300円+2631円
=127931円

赤⑯ 確定申告書第二表の赤③の金額を転記します。

赤⑰ この金額が還付される金額です赤⑯から赤⑮を引いた金額を記入します。

【記入例】

138804円+127931円
=10873円

赤⑱ 配偶者の所得金額を記入します。源泉徴収票に記載されているので確認して記入しましょう。

確定申告:配偶者や扶養親族の所得の計算方法!収入とは違うので注意

赤⑲ 還付金を受け取る銀行口座を記入します。

おわりに

お疲れ様でした!長くなってしまいましたが、以上が「課税所得」の確認方法と、確定申告書類の書き方と記入例となります。

確定申告の書き方でお困りの方は、ケース別に確定申告記入例をまとめた、こちらの記事も是非参考にしてみてください。
↓ ↓ ↓ 
2019(平成30年分)確定申告書類の書き方・記入例ケース別徹底解説!

それでは今日も最後までお読みいただきありがとうございました。この記事が少しでもあなたのお役に立てたら幸いです。

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