記事内容と確定申告書記入例を2019年最新版に更新いたしました。
転職・リストラ・結婚・出産など、年の途中で会社を辞めて、同じ年内に再就職をしない場合、年末調整を行っていないので、ご自身で確定申告をする必要があります。
そこでこの記事では、「年の途中で会社を辞めて年末調整していない方」を対象に、確定申告書(第一表・第二表)の書き方と記入例を紹介させていただきます。しっかりと確定申告をして、払いすぎた所得税を取り戻しましょう^^
※「退職金も合わせて確定申告を行う」という方は確定申告書の様式が異なるため、こちらの記事をご参照下さい。
■退職金の確定申告:全必要書類(第三表含む)の書き方・記入例を徹底解説
(記入例の設定)
結婚しており、パート(103万円以内)をしている奥さんと、16歳以下の子供が2人いる。去年の8月末で会社を辞め、現在職探し中。前職の給与所得以外の所得なし。
※失業保険は非課税です。申告する必要はありません
※「小規模企業共済等掛金控除」・「地震保険料控除」・「寡婦・寡夫控除」・「障害者控除」・「雑損控除」・「医療費控除」・「寄付金控除」については該当しない設定で記入例を作成しております。該当される場合は、記入が必要ですので、記事中の【参考記事】を合わせてご参照ください。
準備する書類を確認!
次の書類をお手元にご準備下さい。
- 確定申告書
- 生命保険料などの支払証明書
- 国民年金などの支払証明書
- 源泉徴収票
【確定申告書】
去年、年の途中で退職し年末調整を行っていない方は、確定申告書A様式を使用します。
→確定申告書 A様式
【生命保険料などの支払証明書】
10月・11月頃に加入している保険会社から送られてきます。
【国民年金などの支払証明書】
11月あるいは2月に日本年金機構から送られてきます。
【源泉徴収票】
退職時に会社から受け取った源泉徴収票です※青枠で囲った部分は、後でご紹介する申告書に書き写す部分です。
確定申告書A 第二表記入例
※これからご紹介する記入例を事前にプリントアウトしていただき、説明とあわせてご覧いただくとわかりやすいかと思います。
■源泉徴収票 記入例
■確定申告書第二表 記入例
■確定申告書第一表 記入例
第二表から作成していきますので、第二表をご用意下さい。まずは上記の源泉徴収票から青①②③を書き写します。
【確定申告書第二表 記入例】
赤① 住所・氏名を記入します。
■確定申告時期に引越して住所変更する時の注意点!提出する税務署は?
赤② 「所得の種類」を「給与」。その右隣に「お勤めしていた会社名」を記入します。
※給与以外の収入・所得がある場合は、こちらの記事を参考にご記入ください。
■確定申告書A様式の収入金額と所得金額の書き方・計算方法を徹底解説
赤③ 16歳未満の子供がいる場合は、こちらに子供の名前・続柄・生年月日・マイナンバーを記入します。
赤④ 上段に「源泉徴収票のとおり」と記載し、その下に会社を退職してから支払った社会保険料(国民年金・国民健康保険料など)を記入します。
赤⑤ 保険会社から送られていた「支払証明書」をみて、昨年1年間(1月~12月)で支払った保険料を記入します。
赤⑥ 配偶者の氏名・生年月日・マイナンバーを記入し「配偶者控除」・「配偶者特別控除」のどちらかにチェックします。※奥さんが配偶者控除・配偶者特別控除どちらに該当するか?わからない場合は、こちらの記事に詳しく書かせていただきましたので、良かったら参考にしてみて下さい。
赤⑦ 扶養親族の氏名・続柄・生年月日・マイナンバー・控除額を記入します。※扶養親族の控除額等についてはこちらの記事をご参照下さい。
赤⑧ 赤⑦の合計金額を記入します。
これで、第二表は完成です!続いて、第一表を記入していきましょう。
確定申告書A 第一表記入例
源泉徴収票から青枠①②を、確定申告書第二表から緑①を書き写して下さい。
【確定申告書第一表 記入例】
赤① 記入例の通りに住所・氏名・生年月日・電話番号・マイナンバーなどを記入し、捺印します。引越した人で、今年の1月1日の住所と現住所が違う場合は旧住所も記入してください。
明治→1
大正→2
昭和→3
平成→4
赤② 給与所得を記入します。給与所得は下記「給与所得の自動計算フォーム」で青①の年収を入力すると算出できるのでご活用ください。
【給与所得自動計算フォーム】
※給与の収入金額(複数の会社から収入がある場合はその合計額)を半角でご入力ください。
給与収入 | 円 |
---|---|
給与所得 | 円 |
赤③ ②の金額をそのまま記入します。
※給与以外の収入・所得がある場合は、こちらの記事を参考に所得を計算し合計金額をご記入ください。
■確定申告書A様式の収入金額と所得金額の書き方・計算方法を徹底解説
赤④ 該当する所得控除を記入します。基礎控除については全員共通で38万円です。また、該当しそうな各種所得控除についてはこちらの記事に詳しく書かせていただいておりますのでご活用下さい。
■2019年確定申告:所得控除額一覧まとめ(配偶者控除、扶養控除など)
■扶養控除:学生の子供や親の控除額は?年末調整・確定申告記入例付き!
■配偶者(特別)控除の計算方法と書き方。年末調整と確定申告書記入例
■生命保険料控除の書き方と計算方法。年末調整と確定申告記入例付き
■地震保険料控除の書き方と計算方法。年末調整・確定申告の記入例付き
■勤労学生控除の条件と申請方法。アルバイトを掛け持ちしている場合は?
■確定申告での障害者控除の書き方と記入例。添付書類は必要なし!
■確定申告で寡婦・寡夫控除を申請。書き方・記入例、控除額を確認!
赤⑤ 緑①と赤④を足した合計金額を記入します。
赤⑥ 雑損控除・医療費控除・寄付金控除に該当する方はそれぞれの控除金額を記入します。該当しない場合は空白でOKです。
医療費控除とふるさと納税の書き方については、こちらの記事も合わせてご参照ください。
赤⑦ 赤⑤⑥を足した金額を記入します。
赤⑧ 赤②から赤⑦を引いた金額を記入します。※1.000円未満は切り捨てて下さい。
赤⑨ 税額を計算し記入します。下記税額表の計算式に当てはめ、税額を算出しましょう。
「平成30年分 所得税の税額表」
「所得税額」=「課税される所得金額」×「税率」-「控除額」
(記入例)
「所得税額」=1.238.000円×5%(0.05)-0円
=61.900円
赤⑩⑪ 赤⑨の金額をそのまま記入します。※他の税額控除等(配当控除・政党等寄付金等特別控除など)がある場合は、赤⑨から、その税額控除を差し引いた金額を記入します。
住宅ローン控除に該当する方は、こちらの記事にて書き方・記入例を詳しく掲載しておりますので合わせてご参照ください。
赤⑫ 復興特別所得税を計算し、記入します。赤⑪に0.021をかけた金額(1円以下は切り捨て)が復興特別所得税になります。
赤⑬ 赤⑪⑫を足した金額を記入します。
赤⑭ 還付金額(戻ってくる額)の計算です。青②から赤⑬を引いた金額を記入します。
赤⑮ 還付される税金の振込先口座を記入して下さい。
おわりに
お疲れ様でした^^以上が「年の途中で会社を辞めて年末調整していない方」を対象とした確定申告書(第一表・第二表)の記入例となります。
その他、確定申告の書き方でお困りの方は、ケース別に確定申告記入例をまとめた、こちらの記事も是非参考にしてみてください。
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■2019(平成30年分)確定申告書類の書き方・記入例ケース別徹底解説!
それでは今日も最後までお読みいただきありがとうございました。この記事が少しでもあなたのお役に立てたら幸いです。