記事内容と記入例を最新版に更新しました。
以前、出産で産休・育休中の配偶者(特別)控除:共働きなら申請しないと損!という記事にて、妻が産休・育休をとった場合の配偶者(特別)控除についてご紹介させていただきました。
そこで今回は、共働きご夫婦が産休・育休を取得した年の年末調整で、配偶者控除・配偶者特別控除を申請するときの書き方・記入例を作成しましたので良かったら参考にしてみて下さい。
※夫側の合計所得が1000万円を超えている場合は、配偶者控除・配偶者特別控除ともに受けることが出来ないのでご注意ください。
※当記事は妻が給与所得者(会社員・公務員・パート・アルバイトなど)という想定で書かせていただいております。
※また、申請するのはご主人側の年末調整です。妻側ではありませんのでご注意下さい。妻側の年末調整の書き方・記入例はこちらの記事にまとめましたので、良かった参考にしてみてください。
■産休・育休中の妻が書く年末調整の書き方と記入例を具体的に紹介!
配偶者控除・配偶者特別控除の適用条件を確認しよう!
はじめに配偶者控除・配偶者特別控除の適用条件を確認しておきましょう。
ポイントは「今年の妻の給与収入」です。何月まで働いていたかで収入は変わってくると思うので、まずは下記表で、ご自身が配偶者控除・配偶者特別控除を受けることができるのか?をご確認ください。
種類 | 条件(妻の年収) | 控除される金額 |
---|---|---|
配偶者控除 | 給与年収103万以内 | 所得税:13万~38万 (夫の合計所得が900万以内なら38万) 住民税:11万~33万 (夫の合計所得が900万以内なら33万) |
配偶者特別控除 | 給与年収103万~201万6千円未満 | 所得税:3万~38万 住民税:3万~33万 |
配偶者(妻)が産休・育休をとった年の年末調整書類の書き方と記入例
該当するのが確認できたら、実際に年末調整書類を書いていきましょう。配偶者控除・配偶者特別控除の申請は次の手順で行います。
②「令和2年分 給与所得者の基礎控除申告書 兼 給与所得者の配偶者控除等申告書 兼 所得金額調整控除申告書」を記入する。
③「令和2年分 給与所得者の保険料控除申告書」を記入する。
④「令和3年分 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を記入する。
「令和2年分 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」に妻・子供の情報を追加する。
「令和2年分 給与所得者の扶養控除申告書」は去年の年末調整時に記入して会社に提出しているはずです。
去年書いたものが、今年の年末調整で戻ってきていると思うので、妻と今年生まれた子供の情報を追加します。※まだ子供が生まれていない場合は、子供の情報は書かなくてOKです。去年書いたものが戻ってこない場合は、会社の総務部に「修正したい」旨を伝え、返してもらいましょう。
年収が「1095万円以内」と「1095万円超」で書き方が異なるので分けてご紹介させていただきます。ご自身の該当する方をご参照ください。
年収が1095万円(給与所得900万円)以内の方
青枠内は去年書いてあるはずです。
赤枠内に妻の情報を記載するかどうかは、妻の今年の給与収入によります。
- 妻の給与収入が150万以内 ⇒ 妻の情報を追加。
- 妻の給与収入が150万超 ⇒ 何も記載しない。
妻の給与収入が150万以内であれば、源泉控除対象者に該当するので、妻の情報を書き、150万を超えている場合は、源泉控除対象配偶者に該当しないので、ここには妻の情報は書きません。
緑枠内に子供の情報を追加して下さい。※子供がまだ生まれていない場合は、子供の情報は書かなくてOKです。
所得の見積額とは?
「所得の見積額」について良くわからない。という場合はこちらの記事に詳しく書かせていただきましたので合わせてご参照下さい。
■年末調整:配偶者や扶養親族の「所得の見積額」の計算方法と書き方
年収が1095万円(給与所得900万円)を超えている方
年収1095万円を超えている場合は、この「扶養控除等(異動)申告書」に妻の情報は書きません。なので緑枠内に子供の情報を追加してするだけでOKです。
また、子供がまだ生まれていない場合は、まだ書けないので追加項目はありません。去年記入したままの状態で提出してください。
「令和2年分 給与所得者の基礎控除申告書 兼 給与所得者の配偶者控除等申告書 兼 所得金額調整控除申告書」を記入する。
この「令和2年分 給与所得者の基礎控除申告書…」という長い名前の書類は、以下の3つがセットになった今年からの新書式です。
- 基礎控除申告書
- 配偶者控除等申告書
- 所得金額調整控除申告書
3つの書類が1つになっているので複雑そうに見えますが、1つ1つ確認していけばそれほど難しくありません。書き方・記入例については、下記でそれぞれご説明させていただきましたので、お手数ですがこちらをご参照ください。
■令和2年分 給与所得者の基礎控除申告書の書き方・記入例
■令和2年分 給与所得者の配偶者控除等申告書の書き方・記入例
■令和2年分 所得金額調整控除申告書の書き方と記入例。対象者を確認!
※書き方の順番があるので、基礎控除申告書から読んでください。
「令和2年分 給与所得者の保険料控除申告書」を記入する。
続いて、「令和2年分 給与所得者の保険料控除申告書」の記入です。
赤枠内:名前・フリガナ・住所を書き、捺印します。
青枠内:民間の生命保険等にご加入の場合は、こちらに記入します。記入例についてはこちらの記事に詳しくまとめましたので合わせてご参照下さい。
■年末調整、保険料控除申告書記入例と書き方。契約者名義が妻の場合は?
緑枠内:民間の地震保険にご加入の場合は、こちらに記入します。記入例についてはこちらの記事に詳しくまとめましたので合わせてご参照下さい。
■地震保険料控除の書き方と計算方法。年末調整・確定申告の記入例付き
紫枠内:社会保険料控除はこちらに記入します。記入例についてはこちらの記事に詳しくまとめましたので合わせてご参照下さい。
■年末調整:社会保険料控除の書き方と記入例。国民健康保険支払先は?
オレンジ枠内:iDeCo(確定拠出年金)などに加入している場合はこちらに記入します。記入例についてはこちらの記事に詳しくまとめましたので合わせてご参照下さい。
■年末調整:小規模企業共済等掛金控除の書き方と記入例。iDeCo加入者は必見!
「令和3年分 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を記入する。
最後に、令和3年分の扶養控除等(異動)申告書を書きましょう。
この用紙は来年(令和3年)に使用するものなので、自分や妻、扶養親族の収入はあくまで予測で書いていきます。予測がずれても、来年の年末調整のときにまた修正できますのでそれほど心配しなくても大丈夫です。妻の所得の見積額についても、何月から職場復帰するかで変わってくると思いますので、だいたいの予測で問題ありません。
では実際に書いていきましょう。この用紙は、あなたの年収が「1095万円以内」と「1095万円超」で書き方が異なるので分けてご紹介させていただきます。ご自身の該当する方をご参照ください
年収が1095万円(給与所得900万円)以内の方
年収が1095万円(給与所得900万円)以内の場合、
- 妻の給与収入が150万以内 ⇒ 妻の情報を追加。
- 妻の給与収入が150万超 ⇒ 何も記載しない。
妻の給与収入が150万以内であれば、源泉控除対象者に該当するので、妻の情報を書き、150万を超えている場合は、源泉控除対象配偶者に該当しないので、ここには妻の情報は書きません。
【記入例(妻の給与収入が150万以内)】
自分の情報を赤枠内、妻の情報をピンク枠内、16歳以上の扶養親族(子供や親など)を青枠内、16歳未満の子供を緑枠内に記入します。
所得の見積額とは?
「所得の見積額」について良くわからない。という場合はこちらの記事に詳しく書かせていただきましたので合わせてご参照下さい。
■年末調整:配偶者や扶養親族の「所得の見積額」の計算方法と書き方
【記入例(妻の給与収入が150万超)】
自分の情報を赤枠内、16歳以上の扶養親族(子供や親など)を青枠内、16歳未満の子供を緑枠内に記入します。
所得の見積額とは?
「所得の見積額」について良くわからない。という場合はこちらの記事に詳しく書かせていただきましたので合わせてご参照下さい。
■年末調整:配偶者や扶養親族の「所得の見積額」の計算方法と書き方
年収が1095万円(給与所得900万円)を超えている方
年収が1095万円(給与所得900万円)を超えている場合は、この用紙には妻の情報は書きません。※妻の収入が0円であっても書かないのでご注意ください。
自分の情報を赤枠内、16歳以上の扶養親族(子供や親など)を青枠内、16歳未満の子供を緑枠内に記入します。
所得の見積額とは?
「所得の見積額」について良くわからない。という場合はこちらの記事に詳しく書かせていただきましたので合わせてご参照下さい。
■年末調整:配偶者や扶養親族の「所得の見積額」の計算方法と書き方
おわりに
年末調整の書き方でお困りの方は、ケース別に年末調整記入例をまとめた、こちらの記事も是非参考にしてみてください。
それでは今日も最後までお読みいただきありがとうございました。この記事が少しでもあなたのお役に立てたら幸いです。