年末調整 所得の見積額

【令和元年9月5日 更新】
記事内容を令和元年最新版に更新いたしました。

年末調整書類には配偶者や扶養親族の「所得の見積額」を書く箇所があります。奥さんや子供、親などの収入状況を申告するわけですが、「所得って何?」・「見積額ってどういうこと?」など疑問をもたれる方もいらっしゃると思います。

そこでこの記事では、年末調整書類に書く「所得の見積額」の計算方法と書き方を詳しくご紹介させていただきます。また、配偶者・扶養親族の収入がわからないときの対処法についてもまとめましたので、良かったら参考にして見てください。

※この記事では一般的に多いであろう給与所得者(会社員・公務員・派遣社員・パート・アルバイトなど)の「所得の見積額」ついてご紹介させていただきます。

扶養親族の方が公的年金を受給されている場合の「所得の見積額」についてはこちらの記事をご参照ください。

年末調整:親や配偶者が年金を受給している場合の所得の見積額を計算

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所得とは?収入との違いを確認

まずは「所得」の意味を確認しておきましょう。

給与をもらっている人の所得は、「給与所得」といい、給与収入から給与所得控除額を引いた金額が「給与所得」となります。

「給与所得」=「給与収入」-「給与所得控除額」

ちなみに、「給与収入」とは総支給額のことで、手取り金額ではないのでご注意ください。つまり、源泉徴収所得税、住民税、社会保険料などが引かれる前の金額です。

給与収入=総支給額(※基本的に通勤交通費は、収入には含めない。)

まあ、ここでは収入と所得は違うんだなーくらいの認識で大丈夫です。後ほど具体例を出しながら計算していきますので。

「所得の見積額」とは?見積額ってどういうこと?

次に見積額の意味を確認しましょう。今年の年末調整書類は以下の4枚ですが、「所得の見積額」については上から3つの今年分(令和元年分、または平成31年分)と一番下の来年分(令和2年分)で意味が違うので分けてご説明させていただきます。

【今年の年末調整書類】

  • 平成31年(2019年)分 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書
  • 令和元年分 給与所得者の保険料控除申告書
  • 令和元年分 給与所得者の配偶者控除等申告書
  • 令和2年分 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書

今年(令和元年分、又は平成31年分)の「所得の見積額」の意味

そもそも年末調整書類は11月に会社から渡されることが多いので、今年の収入・所得が確定する前に書かなくてはいけません。今年の収入・所得が確定するのは12月の給与をもらってからなので、年末調整書類を記入する段階では確定できないわけです。

そこで、年末調整書類には確定した「所得」ではなく、「所得の見積額」を書くことになります。

つまり、11月までは確定しているので、残りの12月分の給与を見積もって(予測して)「所得の見積額」を記入します。※11月の給与が確定していない場合は、11月分と12月分を見積もって記入する。

今年分の「所得の見積額」
1~11月までは確定した所得 + 12月分の見積もった所得

来年(令和2年分)の「所得の見積額」の意味

年末調整の書類として来年用の「令和2年分 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」も受け取っていると思います。この紙はあくまで来年用なので今年の年末調整には使われません。今年使うのは令和元年(または平成31年分)のみです。

「所得の見積額」についても来年のことなので、正確な金額は誰にもわかりませんよね。なので大方の予想で記入すればOKなのです。

※但し!、令和2年から「給与所得控除額」と「基礎控除額」の改正で計算方法が若干変わるので、後ほど詳しくご説明します。

来年分の「所得の見積額」
来年のことは誰にもわからないので、だいたいの予測でOK。来年の年末調整時に修正も可能。

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配偶者・扶養親族の「所得の見積額」を正確に計算する方法

では、年末調整書類に書く「所得の見積額」を実際に計算していきましょう。まずは今年分(令和元年分)から。

今年(令和元年分、又は平成30年分)の「所得の見積額」を計算

正確な収入額を把握する。

所得は収入を元に計算するので、まずは正確な収入を把握しなくてはいけません。正確な収入を把握するには、給与明細を確認するのが一番です。

配偶者や扶養親族に給与明細(2019年1月~11月)を集めてもらい、合計金額を計算します。※ボーナスがある場合はボーナスも含みます。

そして、給与明細のない12月分の給与を予測して1月~12月までの合計収入金額を出します。※11月に働いた分を12月にもらう会社が多いと思うので、12月分の給与額はある程度予測できると思います。

※通勤交通費は収入に含みません。(交通費がものすごく高額な場合は含むケースもある。)

「所得の見積額」を算出する。

「上で計算した収入」を次の計算式に当てはめて、「所得の見積額」を算出します。

給与所得控除額
国税庁ホームページ「令和元年分 給与所得者の配偶者控除等申告書」裏面より引用

例えば、年間収入が120万の場合は、上記表の上から2番目(651000円以上~1618999円以下)に該当するので、

1200000円-650000=550000円

となり、給与所得(見積額)は550000円となります。

来年(令和2年分)の「所得の見積額」を計算

次は「令和2年分 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」に書く配偶者や扶養親族の「所得の見積額」の計算です。

先ほども書きましたが、令和2年から「基礎控除額」、「給与所得控除額」などが改正されます。ただ、結論から言うと令和2年分の「所得の見積額」には、今年分の「所得の見積額」に+10万円の金額を記入しましょう。

理由は、令和2年の改正で、「給与所得控除額」が一律10万円引き下がり「給与所得」が10万円増えるからです。記事冒頭に書いたように、「給与所得」=「給与収入」-「給与所得控除額」なので、「給与所得控除額」が10万円下がれば、「給与所得」が10万円増えます。

なので例えば、配偶者や扶養親族の今年(令和元年)の「所得の見積額」が55万円であれば、「令和2年分 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」の所得の見積額には65万円と書けば問題ありません。

※上記は、あくまで配偶者、扶養親族の来年の給与収入は予測できない。という前提で書いています。あまりいらっしゃらないと思いますが、確実に予測できる場合は、今年分と同じ手順で計算し、その金額に+10万円した金額をご記入ください。

配偶者・扶養親族の今年の給与収入がわからない場合は?

「所得の見積額」は自分の収入ではなく、配偶者・扶養親族の収入なので、正確に把握するのが難しいケースもあります。例えば、子供が大学生で離れて住んでいる場合、子供にどのくらいのアルバイト収入があるのか?ご存知の方は少ないでしょう。

その場合は、年末調整時は予測で書いておき、確定申告で修正するといったやり方もあります。

年明けに配偶者や扶養親族が受け取る「源泉徴収票」で正確な所得を確認できるので、年末調整で書いた「所得の見積額」の予測が間違えていたら2~3月の確定申告で修正しましょう。

下記画像の赤枠内(給与所得控除後の金額)に記載されているのが「給与所得」です。

源泉徴収票

おわりに

年末調整の書き方でお困りの方は、ケース別に年末調整記入例をまとめた、こちらの記事も是非参考にしてみてください。

【参考記事】
2019(令和元年)年末調整書類の書き方・記入例ケース別まとめ!

それでは今日も最後までお読みいただきありがとうございました。この記事が少しでもあなたのお役に立てたら幸いです。

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