この記事では、ふるさと納税を行なう際一番気になる、控除限度額(上限)を正確に計算する方法を解説させていただきます。つまり、いくらまでふるさと納税するのが一番お得なのか?って計算です。
yahoo知恵袋などで、「大手ふるさと納税サイトや、総務省サイトのシュミレーションで、控除限度額(上限)に大きな差が出てしまう!」、「市区町村役所の市税課であまり詳しく教えてもらえなかった!」という書き込みが多数あったので、正確な計算方法を出来る限りわかりやすくまとめてみました。
下記サンプルケースで計算を行ないますので、ご自身に当てはめて一緒に計算してみて下さい^^
31歳の男性会社員。共働きの奥さんと1歳の子供の3人家族。
■収入:会社の給料のみ
■年収:5646363円
■社会保険料控除:684384円
■生命保険:274531円
■介護保険:9275円
■配偶者控除:なし(共働きのため)
事前に準備するもの
・源泉徴収票、または確定申告書の控え
会社員の方で、確定申告していない方は源泉徴収票のみでOKです。確定申告をした方は、確定申告書の控えをご用意下さい。
いざ計算!手順① 住民税の所得割額を自動計算サイトを使って算出する
こちらのサイトさんで、簡単に正確な住民税の所得割額を算出できます。
→住民税額をシュミレーション
以下、上記サイトの画像を用いてご説明させていただきます。
【基本情報の入力】
生年月日、16歳未満の扶養家族の人数を入力します。
【収入・所得の入力】
続いて収入・所得を入力します。サラリーマン・OLの方で、お勤めの会社の給与のみの場合は、「給与収入」欄に上記源泉徴収票青①を入力して下さい。
【所得控除の入力】
続いて、源泉徴収票を参考に所得控除を入力します。
生命保険料控除欄・地震保険料控除欄について
この2つについては、控除額ではなく支払った金額を入力します。(源泉徴収票を参照)
【税額控除を入力し「計算する」をクリック】
※住宅ローン控除を受けている方、また去年もふるさと納税した方などは入力が必要です。
少し下にスクロールすると、下記画像の赤枠内緑○に所得割額が表示されます。
この緑○の2つを足した金額が住民税の所得割額です。
115900円+173800円
=289700円
住民税の所得割額は289700円。
手順② 住民税の所得割額に0.2をかける
手順①で住民税の所得割額がわかったので、その金額に0.2をかけます。
289700円×0.2=57940円
※0.2をかける意味は、ふるさと納税の住民税特例控除の上限が、住民税所得割額の20%と決められているからです。
手順③ 自分の所得税率が何%なのかを調べる
源泉徴収票の青②から青③を引いた金額(課税所得という)を算出します。
3975200円-1113659円=2861541円(課税所得)
算出した金額を次の表に照らし合わせて、自分の所得税率を調べます。
課税所得 | 所得税率 |
---|---|
195万以下 | 5% |
195万超~330万以下 | 10% |
330万超~695万以下 | 20% |
695万超~900万以下 | 23% |
900万超~1800万以下 | 33% |
1800万超~4000万以下 | 40% |
4000万超 | 45% |
今回の例では、286万なので上から2番目に該当します。
所得税率は10%
手順④ ふるさと納税の控除限度額(上限)を計算する
次の計算式に、手順②の金額と、手順③所得税率を当てはめて、ふるさと納税の控除限度額を計算します。
ふるさと納税の控除限度額(上限)
=手順②の金額÷(90%-所得税率)+2000円
=57940円÷(90%-10%)+2000円
=57940円÷80%+2000円
=57940円÷0.8+2000円
=72425円+2000円
=74425円
74425円までふるさと納税するのが一番お得!
おわりに
お疲れ様でした、以上がふるさと納税の控除限度額(上限)の正確な計算方法となります^^
最後に注意点を1つ。
当ページでご紹介した計算方法は、他サイトのシュミレーションより正確な金額を算出できますが、ふるさと納税という制度上の性質から、「今年のふるさと納税の控除限度額(上限)」は、「去年の収入・所得など」から予測計算するという方法をとっています。
今年の本当の限度額は、来年の住民税額が確定してはじめて決まりますので、去年と今年で収入・控除額が大幅に違ってくるという方は、控除限度額ギリギリではなく、控除限度額からある程度余裕をもった金額で、ふるさと納税を行なうことをおススメいたします。
それでは今日も最後までお読みいただきありがとうございました。この記事が少しでもあなたのお役に立てたら幸いです。