この記事では、ふるさと納税を申告し忘れてしまった方や、ワンストップ特例が適用されず申告が漏れてしまった方を対象に、ふるさと納税を遡って申告した場合の還付金額の計算方法、還付金の戻ってくる時期、申告方法などについてまとめました。

せっかくふるさと納税したのに申告しないともったいないです。是非当記事をご活用いただき申告してみて下さい。そして税金の還付を受けましょう!

※当記事では、わかりやすさを重視するため、計算を簡略化しております。実際の還付金額とは若干(数十円くらい)の誤差が出ますので、あくまで目安としてご活用いただけると幸いです。

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戻ってくる税金は住民税と所得税の2つ!

申告し忘れたふるさと納税を、今年申告(正確には申告し忘れた年の申告を修正)すると、住民税所得税2つの税金が安くなり、その安くなった分が還付されます。※過去5年分まで遡って申告が可能です。

住民税は市区町村から還付、所得税は税務署から還付。と別々に税金が再計算され、払いすぎた分が戻ってきます。(一発で還付されるのではなく、あくまで住民税と所得税が別々に還付されます。)

今回は、例として15000円ふるさと納税した場合で、住民税、所得税それぞれいくら還付されるのか計算してみました。ご自身の寄付金額に当てはめて是非ご一緒に計算してみて下さい。

住民税の還付金額を計算

住民税は、「基本分」と「特例分」の2つがあり、この2つを足した金額が還付されます。

基本分を計算

基本分は次の計算式で控除額を計算します。

控除額=(寄付した金額-2000円)×10%

控除額
=(15000円-2000円)×10%
=13000円×10%
=1300円

住民税の基本分は1300円

特例分を計算

※住民税特例分の還付が一番大きいです。

特例分は次の計算式で控除額を計算します。

控除額=(寄付した金額-2000円)×(90%-所得税率×1.021)

※控除額は住民税所得割額の20%が上限(後で説明します。)
※1.021は復興特別所得税(所得税の2.1%)。

「所得税率」がわからないと計算できないので、まずは自分の「所得税率」を確認します。

所得税率は次の通りです。

課税所得金額 所得税率
195万円以下 5%
195万円超~330万円以下 10%
330万円超~695万円以下 20%
695万円超~900万円以下 23%
900万円超~1800万円以下 33%
1800万円超~4000万円以下 40%
4000万円超~ 45%

課税所得金額は、確定申告書の控えを見ればわかります。下記画像赤枠内が「課税所得金額」なので、それを上記表に当てはめて、自分の所得税率をご確認ください。
確定申告書2

今回は所得税率を5%で計算してみます。ご自身の所得税率に当てはめて計算してみて下さい。

控除額
=(15000円ー2000円)×(90%-5%×1.021)
=13000円×(0.9-0.05×1.021)
=13000円×(0.9-0.05105)
=13000円×0.84895
=11036.35円

住民税の特例分は約11036円

住民税(特例分)の控除額は、住民税所得割額の20%が上限!

多くの金額をふるさと納税している方は、今回計算した住民税(特例分)の控除額が、ふるさと納税した年の住民税所得割額の20%以内に収まっているか?ご確認ください。もし超えている場合は、住民税所得割額の20%が住民税(特例分)の控除額上限となります。

住民税所得割額は、下記画像(住民税納税通知書)の赤枠内に記載されています。住民税納税通知書をなくしてしまった場合は、お住まいの市区町村の住民税課に電話して「〇〇年の住民税所得割額を教えて下さい。」と聞いてみましょう。

50-1

(例)上記画像の場合

住民税所得割
=96200円+64100円
=160300円

これの20%が上限になるので

住民税(特例分)の上限
=160300円×20%
=32060円

となります。

住民税の還付金の合計

住民税からの控除は「基本分」+「特例分」なので、

1300円(基本分)+11036円(特例分)
=12336円

住民税は12336円還付される!

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所得税の還付金額を計算

所得税は次の計算式で控除額を計算します。

控除額=(寄付した金額-2000円)×所得税率×1.021
※1.021は復興特別所得税(所得税の2.1%)

控除額
=(15000円-2000円)×5%×1.021
=13000円×0.05×1.021
=650円×1.021
=663.65円
=約664円

所得税は円還664円還付される!

どうやって申告すればいいの?

申告の手続きは、申告し忘れた年の確定申告内容にふるさと納税分を追加した申告書を作成し、税務署に提出します。(「更生の請求」といいます。)

具体的な申告書作成手順については、こちらの記事にまとめましたので合わせてご参照ください。簡単にできるの是非でやってみて下さい^^

申告し忘れたふるさと納税を遡って申告する手順を画像付で徹底解説

いつ還付される?

申告書を提出してからどのくらいで還付になるのか?国税庁の電話相談センターと役所の住民税課に確認しました。

所得税の還付

所得税は申告書を提出してから2~4か月で振り込まれるそうです。

申告書を税務署に提出

税務署で1~3か月くらいで処理し変更通知書を発送

その1か月後くらいに申告書に記載した口座に振込 

※税務署の込み具合で処理するスピードが変わるとのこと。

住民税の還付

住民税は申告書を提出してから3~5か月で振り込まれるそうです。

申告書を税務署に提出

税務署で1~3か月くらいで処理し、役所(住民税課)に情報を送付

その1か月後くらいに役所の住民税課から変更通知書を発送

その1か月後くらいに指定口座に振込。または、今支払っている住民税から差し引かれる。

※住民税は申告書を提出する時期により、今支払っている住民税から減額。というケースもあります。

住民税は、税務署が処理してから市区町村(住民税課)に情報が行くので、その分少し遅くなるようですね。

ただ、住民税課の方に聞いたところ、「税務署に提出した申告書の控え」を持っていけば、2か月くらいで還付可能。との回答でした。なので、お急ぎの場合は申告書の控えを住民税課にもっていくのもありだと思います。

まあ、このあたりは市区町村ごとに方針が異なる可能性もあるので、念のためご自身でもお住まいの市区町村(住民税課)に確認してみてください。

おわりに

ふるさと納税で税金を安くするために、いくらまでふるさと納税するのが一番お得なのか?把握しておきましょう!こちらの記事で、ふるさと納税限度額を正確に計算する方法をご紹介しておりますので良かったら合わせてご参照ください。

ふるさと納税の控除限度額(上限)を正確に計算する方法を超丁寧に解説

それでは今日も最後までお読みいただきありがとうございました。この記事が少しでもあなたのお役に立てると幸いです。

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