今回の記事は、国保の未加入期間がある人が今後、就職して社会保険に加入するときや、引っ越し先で国保に加入するときなど、「未加入期間の保険料(税)は、さかのぼって支払う必要があるのか?」「一度に全額請求されるのか?」「支払わないと保険証は発行してもらえないのか?」など、気になる点を私の住んでいる市区町村に問い合わせて確認してみましたので、良かったら参考にしてみてください^^

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国保未加入期間がある場合は?

国保 未加入 期間
皆さんもご存じの通り、国民健康保険は自営業の方、会社を退職して無職の方、その他、勤務先の健康保険に加入できない方は、国民健康保険(国保)に加入する義務があり、保険料を納めなければいけません。

しかし、保険料を払えない事情があって国保を未加入のままにしている人、加入するのを忘れて未加入のままにしている人など、未加入者が多いのも現状です。

ただ、中には「生活に余裕ができてきたから・・」「就職が決まったから・・」ということで、国保や就職先の健康保険に加入しようと思っている人もいると思います。

そこで気になるのが、未加入期間の保険料(税)です。未加入期間の保険料(税)は、「過去にさかのぼって支払わないといけないのか?」確認していきましょう。

国保の保険料(税)には時効がある!

国保の未加入期間がある人が、国保に加入する場合、未加入期間の保険料(税)を、さかのぼって支払うことになります。

但し、国保の保険料(税)には時効があります。

市区町村による徴集権の時効は〝保険料〟と〝保険税〟により時効期間が異なります。自分が〝保険料〟と〝保険税〟のどちらなのかは、お住まいの市区町村ホームページで調べることが出来ますが、現在は「保険税」を採用している地域が多くなっています。

国民健康保険料 2年
国民健康保険税 5年

例えば、未加入期間が10年あった場合、10年分の保険料(税)を支払うのではなく、保険料を採用している市区町村の場合は2年分、保険税を採用している市区町村の場合は5年分まで遡って支払うことになります。

※国保を「滞納」している人の場合、国民健康保険法により「滞納」には時効はありませんので、ご注意ください。

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国保未加入期間があるけど、その後の保険料はどうなる?

国保未加入の人が、今後、国民健康保険や社会保険に加入する場合、「過去の未加入期間の保険料(税)は、請求されるのか?」ケース別に確認していきましょう!

ケース①国保未加入期間あり→国保加入した場合

<例>
現在、A市に住んでいる太郎さんは、3年前に仕事を退職してから国保に加入せず、未加入期間が3年あります。

このあとA市で国保に加入した場合は、会社を退社した翌日(資格喪失日)まで、さかのぼって保険料(税)を支払う必要があります

但し、国保未加入の場合は時効がありますので、Aさんの場合は以下のようになります。

保険料の場合 時効が2年なので、2年分の保険料が請求されます。
保険税の場合 時効が5年なので、3年分の保険料が請求されます。

未加入期間の保険料(税)の納付は、分割納付書が発行され、それぞれの納付書ごとに支払期限が設けられていますので、1度に全額支払わなくても保険証は発行されます。

ケース②国保未加入期間あり→引っ越しして国保に加入する場合

<例>
現在、A市に住んでいる太郎さんは、3年前に仕事を退職してから国保に加入せず、未加入期間が3年あります。

このあとB市に引っ越しをして、B市で国保に加入した場合は、A市での未加入期間(3年分)の保険料(税)は、請求されるのでしょうか?

本来、納付義務はありますが、請求されません。B市に転入した日が国民健康保険の資格取得日となり、保険証が発行されます。

引っ越し先で国民健康保険に加入するときの手続きについてまとめていますので、良かったらこちらの記事を参考にしてみてください。
国民健康保険:引越しのときの手続き、保険料の未納分がある場合は?

ケース③国保未加入期間あり→勤務先の健康(社会)保険に加入した場合

<例>
現在、A市に住んでいる太郎さんは、3年前に仕事を退職してから国保に加入せず、未加入期間が3年あります。

このあと就職先が決まり、勤務先の社会保険に加入することになりました。この場合、未加入期間(3年分)の保険料(税)は、請求されるのでしょうか?

本来、納付義務はありますが、請求されません

国保未加入の場合、市区町村は太郎さんが国保の資格を取得したという事実が確認できないので、太郎さん(未加入者)に対して保険料(税)の請求権がないということでした。

保険料(税)を滞納している場合は、途中で社会保険に切替わっても、滞納分は引き続き請求されますので、注意してください。

ケース④国保未加入期間あり→勤務先の健康(社会)保険に加入→退職→国保加入した場合

<例>
現在、A市に住んでいる太郎さんは、3年前に仕事を退職してから国保に加入せず、未加入期間が3年あります。

このあと就職先が決まり、勤務先の社会保険に加入したので、国保未加入期間の3年分の保険料(税)は支払っていません。

しかし、1年後に再び退職し、A市の国保に入る場合、1年前の未加入期間(3年分)の保険料(税)は、請求されるのでしょうか?

本来、納付義務はありますが、請求されません

これも先ほどの例と同様に、国保未加入の場合、市区町村では未加入期間の資格取得を把握できてないので、会社を退職した翌日(資格喪失日)が、国民健康保険の資格取得日となり、この日から保険料が発生します。

※国民健康保険は各市区町村ごとに運営されているため、今回の回答と異なる場合もあります。詳しくはお住まいの市区町村窓口で確認するようにしてください。

終わりに

今後、マイナンバー制度が整うと、国保の未加入者が減ると言われています。

未加入の場合、医療費の負担額が全額自己負担になるなどリスクも大きいですし、本来は加入する義務があるものなので、手続きをされていない人は早めに加入するか、市区町村の窓口で相談するようにしてください。

また、国保を滞納している方には時効はなく、社会保険に加入した場合や引っ越しをした場合でも加入していた期間の保険料(税)の請求は行われますので、注意してくださいね。

国民健康保険料(税)を滞納するとどうなる?時効や延滞金、対処法は?

それでは、今日も最後まで読んでいただきありがとうございました。この記事が少しでもあなたのお役に立てたら嬉しいです。

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