この記事では、国民年金の滞納にかかる延滞金について、いつからいくら発生するのか?また支払わないとどうなるのか?など、延滞金にまつわる気になる点をまとめてみました。日本年金機構に直接確認した内容なので良かったら参考にしてみて下さい。
国民年金の滞納で延滞金はいつからつく?
結論からいうと、国民年金の滞納で延滞金がつくのは、督促状に記載されている指定期限を過ぎてからになります。そこでまずは、督促状が送られてくるタイミングを確認してみましょう。催告状と督促状は違うものなので、その点に注意してご覧ください。
【滞納後の一般的な流れ】
■納付月の翌月末を過ぎると滞納扱いになる。
↓ 数か月ほど経過
■特別催告状
↓ その後数カ月の放置で
■最終催告状
↓ さらに数か月放置で
■督促状 ⇒ 指定期限を過ぎると延滞金発生
↓
■差押予告
↓
■差押え
※あくまで一般的な流れなので、個人差がある点はご了承ください。
上記のとおり、催告状・特別催告状・最終催告状が届いた状態の人には、まだ延滞金は発生しません。なので催告状の段階で早めに日本年金機構に相談に行くことをお勧めします。相談することで、免除・猶予・分割納付が可能ですので。※督促状が届いたら分割納付はできなくなり、一括納付対応のみになってしまうようです。
また、督促状が届いても、督促状に記載されている指定期限までに支払えば延滞金は発生しません。
注意点:延滞金は遡ってかかる
延滞金は督促状に記載されている指定期限を過ぎてからかかりますが、その指定期限を過ぎると、納付期限の翌日まで遡って延滞金がかかります。
※日本年金機構ホームページより引用
納付期限とは、通常の年金保険料の支払期限のことで、例えば2018年3月分の保険料の納付期限は、翌月の2018年4月末日。2019年1月分の保険料の納付期限は、2019年2月末日です。
仮に、2018年3月分の年金保険料に対する督促状が送られてきて、その指定期限が2019年7月31日だったとしたら、2018年5月1日(2018年3月分の納付期限が2018年4月末日なのでその翌日)から、最低でも約15カ月間遡って延滞金がかかってしまうということになります。
では、次に延滞利率を確認して、いくらくらい延滞金がかかってしまうのか?計算してみましょう。
延滞金はいくら?(延滞利率)
延滞利率は、年によって若干変わり次の通りです。※本来の延滞利率は、納付期限から3か月間は年7.3%、納付期限から3か月以降は年14.6%ですが、現在は経過措置期間なので次の表が実際の延滞利率です。
年 | 納付期限の翌日から3か月間 | 納付期限の翌日から3か月以降 |
---|---|---|
平成27年(2015年)1月~12月 | 年2.8% | 年9.1% |
平成28年(2016年)1月~12月 | 年2.8% | 年9.1% |
平成29年(2017年)1月~12月 | 年2.7% | 年9.0% |
平成30年(2018年)1月~12月 | 年2.6% | 年8.9% |
平成31年(2019年)1月~12月 | 年2.6% | 年8.9% |
ここでは滞納1か月分を例に実際に計算してみるので、どのくらい延滞金がかかるのか目安にされてください。
延滞金の計算例
例)2018年3月分を滞納し、督促状の指定期限が2019年7月31日、翌月8/20に支払う場合。
平成30年(2018年)3月分の国民年金保険料は16490円でした。延滞金は徴収金の500円未満は切り捨てて計算するので、今回は16000円に対する延滞金を計算します。
納付期限の翌日から3か月間の延滞金
16000円×2.6%×92日(2018/5/1~7/31)÷365日
=104円
納付期限の翌日から3か月間以降の延滞金
16000円×8.9%×385日(2018/8/1~2019/8/20)÷365日
=1502円
延滞金の合計金額
104円+1502円
=1606円
延滞金の50円未満は切り捨てるので、延滞金は1600円。
※これはあくまで滞納1か月分の延滞金の計算例です。実際は、督促状に記載されている期間分の延滞金が発生するのでご注意ください。
時効はあるの?
国民年金保険料には時効があり、基本的には、納付期限から2年で時効となります。
但し、督促状が来た場合、時効は中断されるので、その場合は時効で逃れることは出来ない。と考えた方がいいでしょう。
また、日本年金機構に確認したところ、催告状でも種類によっては時効を中断するケースもある。との回答でした。この辺りの対応は、滞納している人の収入によって全然違ってくるそうなので、催告状・督促状だけで判断するのではなく、自分の現状を日本年金機構に確認してみて下さい。
滞納保険料・延滞金を払わないとどうなる?
流れとしては、先に滞納している保険料を支払った後に延滞金の納付書が郵送されてきます。
なので、まずは滞納保険料を支払わないといけません。
督促状の指定期限までに滞納保険料を支払わないと、差押予告が届いたのち差し押えが実行されます。※滞納者の収入等により最終判断されるようですが、催告状だけではなく督促状まで届いている場合はかなりまずい状況です。
【差押え例】
- 給与の差押え
- 携帯電話が使えなくなる
- 自動車差押え
- その他の財産差押え など
延滞金については、滞納保険料さえ支払えば相談にのってもらえます。メインはやはり滞納保険料の徴収なので、延滞金についてはそこまで厳しくない。というのが現状のようです。
おわりに
本文中にも書きましたが、滞納による通知が届いている場合は、なるべく早く日本年金機構に相談に行くことをお勧めします。
放置してしまうと悪質とみなされますし、相談すれば保険料の免除・猶予・分割納付も利用できる可能性があります。まずは電話相談してみましょう。
それでは今日も最後までお読みいただきありがとうございました。