引っ越しのときに気になるのが「退去費用」「敷金の返金額」ではないでしょうか?引っ越しは何かとお金が出ていきますので、戻ってくるお金の目安くらいは事前に把握しておきたいですよね^^

そこで今回は「退去費用の相場」「敷金はいくら戻ってくるのか?」などについてまとめてみましたので、これから引っ越し予定のある方は参考にしてみてください^^

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退去費用とは?

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賃貸マンション・アパートを退去するときには原状回復と言って、お部屋を借りたときの状態に戻す必要があります。

その際、生活する上で自然とできた細かいキズや汚れなど(経年変化や自然損耗)の補修費用は貸主(大家さん)負担となり、借主の故意過失や通常の使用方法以外でお部屋に設置されている家具類の破損やキズを付けてしまったときの補修費用は借主で負担することになっています。

このときに借主が負担する費用のことを退去費用といいます。

退去費用を巡っては、国土交通省の原状回復をめぐるトラブルとガイドライン東京都の賃貸住宅紛争防止条例などトラブル防止のガイドラインが設けられていますが、全国的に見てまだまだ貸主・借主間でのトラブルは多いようです。

退去費用はどのように決まるの?

私は以前、東京都内の不動産屋で働いていましたが、都内ではこの退去費用を巡るトラブルはだいぶ少なくなったと思います。それは、入居前(契約時)に退去費用について、きちんと説明するルールが設けられ、その費用負担割合が明確になってきているからだと思います。

そこで今回は東京都の例でご説明していきます。

東京都の場合、借主の退去時の費用は

ハウスクリーニング費用+故意過失分の補修費用=退去費用

で計算されます。

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ハウスクリーニング費に含まれるもの

  • エアコン清掃
  • 床の清掃・ワックス掛け
  • 生活する上で汚れた壁紙(クロス)の清掃・張り替え
  • キッチン、バス、トイレなど水回りの清掃
  • ベランダ清掃

ハウスクリーニング費用の相場

㎡(平米) 金額
~30㎡未満 15,000円~30,000円
30㎡~50㎡未満 30,000円~50,000円
50㎡以上~ 50,000円~

※別途消費税がかかる場合もあります。

借主が負担する項目(故意過失分)

壁紙(クロス)のキズや落書き
日焼けや照明焼け、冷蔵庫、テレビなどの家具を置いていたところの黒い跡は生活する上で付いてしまうものなので借主負担ではありません。また、画鋲を差した穴は基本的に貸主負担になりますが、大家さんによっては請求されることもありますので注意してください。

タバコのヤニ汚れや臭い
これはご存じの方も多いと思いますが、NGですね^^;
よく「キッチンの換気扇の前で吸っていたから、キッチン周りだけ張り替えでしょ?」と思われがちですが、臭いに敏感な(タバコを吸っていない)立会い担当者だと、全室壁紙(クロス)張り替えとなる場合もあります。(実際に、全室張り替えになったお客さんが多かったです。)

フローリング、畳、カーペットのキズ&汚れ
フローリング:目立つキズやヘコミは借主負担になります。

ドア、障子、網戸のキズ・破れ・破損
「ペットのひっかきキズ」や「障子の破れ」「網戸の網破れ」などは、借主負担となります。

その他、お部屋の設備(エアコンや換気扇など)破損も借主負担となります。

それぞれの補修費相場

補修箇所 金額
クロスの張り替え(㎡) 2,000円~4,000円
フローリングのキズ・ヘコミ(1箇所) 2,000円~4,000円
網戸の補修(1面) 2,000円~3,000円
障子の張り替え(1枚分) 1,500円~3,000円

管理会社や大家さんが提携している業者にもよりますが、通常の相場よりは高めに設定されていると思っておいた方がいいです^^;

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退去費用を抑えるためにやっておくこと

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退去費用を抑えるために自分で補修できる箇所は事前にやっておきましょう。

クロスの補修

クロスの張り替えは難易度が高いので自分で補修するのは無理だと思います^^;
ただ、落書きも洗剤等を使うと綺麗に落ちる場合もありますので、試してみて下さい。また、クロスの穴埋めなどはホームセンターに行くと専用の材料が安く売っていますので、簡単に補修することができます。私も引っ越しのときはできる限りやっています。

フローリングのキズ・ヘコミ補修

こちらもフローリングの素材や色を合わせないといけないので難易度が高いですね。ただ、ホームセンターに専用の補修用品が売っていますので試してみるのもアリですね。私も引っ越しをしたときに試してみたのですが、残念ながら綺麗に仕上がりませんでした^^;

フローリングのキズが深く広範囲にある場合は張り替える場合もあります。その場合は、キズの範囲やフローリングの素材、補修期間などによって(人件費も加わるため)金額が大きく変わるため、事前に管理会社に問い合わせて見積もりを聞いておくとトラブルも少なくなると思います。

障子の張り替え

<必要なもの>
・障子紙
・障子用のり
・ハケ
・カッターガイド
・カッター
・マスキングテープ
道具費用:2,000円~3,000円程度
複数枚張り替える場合は、自分で補修した方が節約できます。

網戸の張り替え

<必要なもの>
・網
・ローラー
・網戸用ゴム
・網戸カッター
道具費用:1,000円程度
自分で補修すれば節約ができます。

敷金の返金額はどうやって計算するの?

敷金の返金額は、預けている敷金-退去費用=返金額で計算されます。

上のでご紹介した退去費用を参考に、ご自身のケースを当てはめてみるとおよその金額が見えてくると思いますので、確認してみてください。

敷金の返金額は立会いの際に計算され、その場で担当者から「〇月〇日ごろに指定の口座へ振込みます。」と、説明がありますので確認しておきましょう。(目安は2週間~1ヶ月程度です。)

また、敷金の返金額は「退去費用がどの程度かかるか?」によって変動してきますが、敷金0物件や退去費用が敷金だけで相殺できない場合は、後日マイナス分を請求されることになります。

私の経験上ですが、接客をしたお客さんの中で(敷金ゼロ物件以外で)退去費用が敷金をオーバーして支払いが発生するケースはほとんどありませんでした。

引っ越しのときの「退去届の提出」~「退去の立会い」まで、退去のとき手続きや注意点をそれぞれまとめていますので、良かったら参考にしてみてください。

賃貸の退去:立会い~退去費用など解約するときの手続きをまとめ紹介

退去費用に納得できない場合の相談先

退去費用に納得できない場合は、下記の窓口で相談してみてください。

  • 消費者センター
  • 全国にある宅建協会支部
  • 弁護士(自治体の無料弁護士相談など)

終わりに

私が不動産屋で働いていたときは、お客さんに管理会社や大家さんとのトラブルを避けるため、新しいお部屋に入居するときには入居チェック表を作成し問題になりそうな箇所は写真を撮っておくことをおすすめしてました。退去時に証拠として使えますので、皆さんも是非作成してみてください。

引っ越しのときに必要な手続きをリストアップしていますので、良かったらこちらも参考にしてみてください。
引越し手続きリスト、役所・郵便局・免許証など手続きをまとめて紹介!

それでは今日も最後までお読みいただきありがとうございました。この記事が少しでもあなたのお役に立てたら幸いです。

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