交通違反をしたことがある人なら誰でも一度は気になる〝免許の点数〟ですが、皆さんは免許の点数の確認方法をご存知ですか?
実際、「今の自分の点数は何点なのか?」「免停まであと何点残っているのか?」そして、「その点数はどのように確認すればいいのか?」把握している人は意外と少ないと思います。
そこで今回は免許の点数の確認方法についてまとめてみましたので、良かったら参考にしてみてください^^
免許の点数を確認するうえで抑えておくべき4つのポイント
まず、自分の免許の点数を調べるうえで事前に確認しておくべき4つのポイントからご説明していきます。
ポイント1:減点ではなく加点方式
誤解している人も多い免許点数の計算方法ですが、元々ある点数から引かれる減点方式ではなく、違反をするごとに貯まっていく加点方式になります。
例えば、免許取得後(点数0)、一時停止無視(指定場所一時不停止等:違反点数2点)で違反した場合は「点数0」→「点数2」となり、その後、携帯電話保持(違反点数1点)で違反した場合は、1点が追加され「点数3」となります。
ポイント2:点数が一定の基準に達すると行政処分を受ける
交通違反をすると、その違反ごとに決められた点数が加点されていき、一定の点数に達すると免許停止(いわゆる〝免停〟)や免許取り消しなどの行政処分を受けることになります。
違反点数の一覧はこちら⇒交通違反の点数一覧(警視庁)
ポイント3:行政処分後、点数は0点に回復するが「前歴」がつく!
行政処分後(免停明け・違反者講習受講後)は、点数は0点に回復しますが、前歴(行政処分歴)がつきます。
「前歴1/点数0」とみるとわかり易いと思います^^
前歴が付いている期間中は行政処分になる点数と処分内容が厳しくなります。「前歴0」~「前歴3」の場合の行政処分点数と内容を確認してみましょう。
「前歴0」の場合の行政処分点数と内容
6点~8点 | 30日間の免許停止 |
---|---|
9点~11点 | 60日間の免許停止 |
12点~14点 | 90日間の免許停止 |
15点以上 | 免許取り消し |
「前歴1」の場合の行政処分点数と内容
4点~5点 | 60日間の免許停止 |
---|---|
6点~7点 | 90日間の免許停止 |
8点~9点 | 120日間の免許停止 |
10点以上 | 免許取り消し |
免停明け・違反者講習受講後は「前歴1」となり、「前歴0」と比べて行政処分になる点数や処分内容が厳しくなっていることがわかりますね。
「前歴2」の場合の行政処分点数と内容
2点 | 90日間の免許停止 |
---|---|
3点 | 120日間の免許停止 |
4点 | 150日間の免許停止 |
5点 | 免許取り消し |
「前歴3」の場合の行政処分点数と内容
2点 | 120日間の免許停止 |
---|---|
3点 | 150日間の免許停止 |
4点 | 免許取り消し |
「前歴2」と「前歴3」という方は多くないと思いますが、猶予は「2点」しかありません。例えば、踏切の一時停止無視の違反1回で再び免停になってしまいます^^;
ポイント4:違反による点数や前歴は1年間の無事故・無違反で0点に回復する
免許の点数は、過去3年以内の交通違反の点数を合計して計算することになっていますが、違反をした日の翌日から1年以上無事故・無違反の場合は0点に回復します。
2年以上無事故・無違反の人、ゴールド免許を保持している人は、3点以下の軽い交通違反で生じた点数は3ヶ月間の無事故・無違反で0点に回復します。
注意!
警視庁のホームページには「この点数は消えるのではなく、違反歴として残っています。」と記載されています。
このことについて警察署に問い合わせて聞いたところ、答えは「基本的には0点に戻る考え方で良いが、何度も交通違反を繰り返している人や、重い交通違反の場合には1年以上無事故・無違反であってもの違反歴から点数を累積してカウントすることもある」ということでした^^;
この判断基準については「累積点数等証明書」に記載されている点数が現在の正確な点数とのことです。
「累積点数等証明書」の発行方法はこちらにまとめていますので、良かったら参考にしてみてください。
■免許の点数が確認できる「累積点数等証明書」の発行・取得方法を確認
■累積点数等証明書と運転記録証明書を取得して累積点数・違反暦を確認してみた!
よっぽど悪質と判断された場合は、1年以上無事故・無違反でも過去の点数が計算され行政処分(免停・免許取り消し)の対象になるそうなので覚えておきましょう。
免許の点数の確認方法
4つのポイントを確認したところで、免許の点数の確認方法を見ていきましょう。今回は具体例を使って説明していきます。
具体例その1
Aさん(免許証の色はブルー)は免許取得後、運転中に携帯電話で通話をしていたところ、携帯電話使用等(交通の危険)の違反で「2点」が加点されました。
この場合、Aさんはあと何点で免停になるのか?また、点数はいつ「0点」に回復するのか?
Aさんは、初めての交通違反だったということで「前歴0/点数2」となります。
そして、先ほどの「前歴0」の表↓に当てはめると、
「前歴0」の場合の行政処分点数と内容
6点~8点 | 30日間の免許停止 |
---|---|
9点~11点 | 60日間の免許停止 |
12点~14点 | 90日間の免許停止 |
15点以上 | 免許取り消し |
行政処分(免停)になるまでは、あと4点の猶予があります。そして、Aさんは違反日の翌日から1年間無事故・無違反だと「前歴0/点数0」に回復することになります。
具体例その2
Bさん(免許証の色ブルー)は、平成30年の6月にスピード違反(速度超過30km以上50km未満)で6点の違反をしてしまい、30日間の免許停止処分を受けました。
その後、平成31年3月にシートベルト違反(座席ベルト装着義務違反「1点」)をしてしまいました。この場合の現在の点数は何点になるのか?
まず、平成30年6月のスピード違反「6点」は行政処分後(免停明け)に点数「0点」に戻りますが、前歴が付きますので「前歴1/点数0」となります。
その後、平成31年3月のシートベルト違反は、免停明けから1年未満のため前歴は0にはならず、「前歴1/点数1」となります。
そして先ほどの「前歴1」の表↓に当てはめると、
「前歴1」の場合の行政処分点数と内容
4点~5点 | 60日間の免許停止 |
---|---|
6点~7点 | 90日間の免許停止 |
8点~9点 | 120日間の免許停止 |
10点以上 | 免許取り消し |
行政処分(免停)になるまでは、あと3点の猶予があることがわかります。そして令和2年3月(の違反日)まで無事故・無違反の場合は「前歴0/点数0」に回復します。
具体例その3
Cさん(免許証の色はブルー)は、1年以内に携帯電話使用等(2点)の違反が2回あり、現在「前歴0/点数4」となっています。Cさんは、あと何点で免停になるのか?また、点数が0に戻るのはいつか?
Cさんの場合は現在「前歴0/点数4」なので、表↓に当てはめて、あと2点の交通違反で免停となります。
「前歴0」の場合の行政処分点数と内容
6点~8点 | 30日間の免許停止 |
---|---|
9点~11点 | 60日間の免許停止 |
12点~14点 | 90日間の免許停止 |
15点以上 | 免許取り消し |
また、点数が0点に戻るのは、最後の交通違反の翌日から1年以上無事故・無違反だった場合です。
具体例その4
Dさん(免許証の色はゴールド)は、一時停止無視(指定場所一時不停止等)で2点の違反をしてしまいました。この場合いつ点数は0に回復するのでしょうか?
Dさんはゴールド免許保持者なので、軽い交通違反(1点~3点)であれば普通(1年以上)の方より優遇され3ヶ月以上無事故・無違反であれば、「前歴0/点数0」に回復することになります。
免許の「更新」で点数は戻る?
これも誤解されている人が多いようですが、免許の更新をしても違反点数や前歴は「0」にはなりませんので、注意してください!
終わりに
先ほども書いた通り、免許の点数の確認方法は違反歴によっては上記の確認方法が当てはまらない場合もあります。そこで、自分の免許証の点数を正確に把握するためには「累積点数等証明書」を発行して確認することができます。
「累積点数等証明書」の発行方法はこちらにまとめていますので、良かったら参考にしてみてください。
■免許の点数が確認できる「累積点数等証明書」の発行・取得方法を確認
■累積点数等証明書と運転記録証明書を取得して累積点数・違反暦を確認してみた!
また、免許の点数は交通違反の基礎点数と交通事故を起こした場合(ひき逃げや当て逃げなど)の付加点数からなり、基礎点数+付加点数の合計次第では一発で免許取り消し処分となることもありますので、注意してください。
それでは今日も最後までお読みいただきありがとうございました。この記事が少しでもあなたのお役に立てたら幸いです。