年末調整:給与と年金がある方の合計所得金額(見積額)の計算と書き方

今年の年末調整書類の中には自分と妻(配偶者)の「合計所得金額(見積額)」記載する項目があります。(配偶者控除等申告書という書類の中です。)

平成30年分 給与所得者の配偶者控除等申告書1

そこで今回は、給与と年金、両方受け取っている方の合計所得金額(見積額)の計算方法と書き方をまとめました。給与→給与所得、年金→雑所得と、所得別に計算方法・書き方をご紹介しておりますので良かったら参考にしてみてください。

※遺族年金や障害年金は非課税所得扱いなので、年末調整で申告する必要はありません。

スポンサーリンク

はじめに:「見積額」ってどういう意味?

年末調整書類には「合計所得金額(見積額)」や「所得の見積額」という言葉が出てくるので、まずは「見積額」の意味を確認しておきましょう。

今年の年末調整書類は以下の4枚ですが、「見積額」については今年分(平成30年分)と来年分(平成31年分)で意味が違うので分けてご説明させていただきます。

【年末調整書類】

  • 平成30年分 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書
  • 平成30年分 給与所得者の保険料控除申告書
  • 平成30年分 給与所得者の配偶者控除等申告書
  • 平成31年(2019年)分 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書

今年(平成30年分)の「見積額」の意味

そもそも年末調整書類は11月に会社から渡されることが多いので、今年の収入・所得が確定する前に書かなくてはいけません。今年の収入・所得が確定するのは12月の給与や年金をもらってからなので、年末調整書類を記入する段階では確定できないわけです。

そこで、年末調整書類には予測した金額として「見積額」を書きます。つまり確定前なので年末調整書類には「見積額」を書くしかない。ということになります。※収入・所得の見積額の計算方法については次章でご説明させていただきます。


来年(平成31年分)の「見積額」の意味

年末調整の書類として来年用の「平成31年(2019年)分 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」も受け取っていると思います。この紙はあくまで来年用なので今年の年末調整には使われません。今年使うのは平成30年分のみです。

「所得の見積額」についても来年のことなので、正確なことは誰にもわかりません。なので大方の予想で記入すればOKです。予測が難しければ、今年と同じ所得を記入しておきましょう。

また、「平成31年(2019年)分 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」は来年の年末調整でまた返却されますので、そのときに正確な「見積額」を記入しましょう。

それでは、次章から本題の「年金・給与の収入・所得」を計算していきます。


年金は雑所得。計算方法と書き方

まずは年金の所得から計算していきましょう。

手順①自分の年金の種類を確認する

年金は雑所得になるのですが、公的年金と個人年金では計算方法が違うので、まずは自分が受給しているのが「公的年金」なのか?「個人年金」なのか?確認する必要があります。

公的年金等

公的年金は本来、国民年金・厚生年金・共済年金の3種類だけですが、公的年金等、つまり「等」が入ることで企業年金なども、公的年金と同じ扱いになります。公的年金等の種類は以下のとおりです。

【公的年金等の種類】

  • 国民年金
  • 厚生年金
  • 共済年金
  • 国民年金基金
  • 企業年金(厚生年金基金など) 
  • 個人型・企業型の確定拠出年金 など 

※遺族年金と障害年金は非課税なので、年末調整で申告をする必要はありません。


個人年金

一方、個人年金は、公的年金等以外の年金で、民間の保険会社などと個人契約している年金です。

【個人年金の種類】

  • 生命保険契約の年金
  • 生命共済契約の年金
  • 互助年金
  •  


手順②年金収入を確認する

年金の種類がわかったら、次は年金収入の確認です。年間でいくら年金収入があるのかを確認しましょう。

公的年金収入の確認方法

公的年金による収入は、本人が「ねんきんダイヤル」に電話すれば、教えてもらえます。「平成30年分(1~12月)の年金受給見込み額を教えてください」と聞いてみて下さい。(※基礎年金番号を聞かれるので準備しておいてください。)

また、本人以外の方が代理で電話する場合は、その場では教えてもらえませんが、後日扶養親族の方が住んでいる住所に郵送してくれますよ^^

【ねんきんダイヤル】
ねんきんダイヤル


個人年金収入の確認方法

個人年金は、加入している保険会社から「年金の支払調書」が届くはずなのでそれで確認してください。届いていない場合は、加入している保険会社に電話で問い合わせしてみて下さい。


手順③所得を計算する

年金収入を把握できたら、続いて収入から所得(年金は雑所得)を計算します。


公的年金の雑所得の計算方法

公的年金等の雑所得は、年金収入金額から、「公的年金等控除額」を引いた金額です。

年金収入金額-公的年金等控除額 = 公的年金の雑所得

手順②で調べた年金収入金額を次の計算式に当てはめて、「公的年金等控除額」を計算しましょう。※計算式は65歳未満と65歳以上で計算方法が異なるので、ご自身に該当する方をご参照ください。

公的年金 雑所得の求め方3
国税庁ホームページ「平成30年給与所得者の配偶者控除等申告書」裏面より引用

(例)66歳で年金収入が年350万円の場合

「年齢65歳以上の人」の上から2番目(330万円超~410万円以下)に該当するので、

公的年金等控除額
=(A)350万円×25%+37万5000円
=3500000円×0.25+375000円
=1250000円

(年金収入金額)350万円-(控除額)125万円=225万円 

公的年金等の雑所得は225万円


(例)66歳で年金収入が年240万円の場合

「年齢65歳以上の人」の一番上(330万円以下)に該当するので、

(年金収入金額)240万円-(控除額)120万円=120万円 

公的年金等の雑所得は120万円


(例)62歳で年金収入金額が年100万円の場合

「年齢65歳未満の人」の一番上(130万円以下)に該当するので、

(年金収入金額)100万円-(控除額)70万円=30万円 

公的年金等の雑所得は30万円


個人年金の雑所得の計算方法

個人年金の雑所得は、「1年間に受け取った年金額」から「必要経費」を引いた金額です。

「必要経費」とは、保険会社から送られてきた支払調書に記載されている「年金の支払金額に対応する保険料または掛金額」のことです。

【支払調書】
支払調書1

上記の支払調書でいうと、「差引金額」が個人年金の雑所得となります。

個人年金の雑所得
=1200000円-215000円
=985000円

手順④年末調整書類に年金の収入・所得を記入する

年金の収入と所得がわかったら年末調整書類に記入します。記入するのは、「配偶者控除等申告書」です。

平成30年分 給与所得者の配偶者控除等申告書


公的年金のみの方の書き方と記入例

赤①に手順②で調べた年金収入を記入、青②に手順③で計算した雑所得を記入します。緑③には赤①から青②を引いた金額を記入してください。※この差額は公的年金等控除額です。
配偶者控除等申告書3


個人年金のみの方の書き方と記入例

赤①に手順②で調べた年金収入を記入、青②に手順③で計算した雑所得を記入します。緑③には支払調書に記載されている「年金の支払金額に対応する保険料または掛金額」を必要経費として記入してください。
配偶者控除等申告書4

支払調書1


公的年金と個人年金両方受給している方の書き方と記入例

公的年金と個人年金を両方受給している場合は、それぞれの収入と雑所得を足して記入します。

(収入)
公的年金240万円+個人年金120万円
=360万円

(雑所得)
公的年金120万円+個人年金985000円
=2185000円

赤①公的年金と個人年金の収入を足した金額を記入、青②に公的年金と個人年金の雑所得を足した金額を記入します。緑③には赤①から青②を引いた金額を記入してください。

配偶者控除等申告書5

これにて年金の雑所得の計算・書き方は完了です。続いて給与所得を計算していきましょう。


給与所得の計算方法と書き方

手順①今年の給与収入の見積額を計算する。

まずは今年の1~12月までの年間収入の見積額を計算します。

すでに確定している1~11月までの給与とボーナスを給与明細で確認しましょう。※11月の給与が確定していない場合は、1~10月までを給与明細で確認してください。給与明細がない場合は、会社の総務部に確認するしかないと思います。

ちなみに給与は、額面での総支給金額です。手取り金額ではないのでご注意ください。

収入=総支給の額面給与+ボーナス

※基本的に通勤交通費は、収入には含めない。

次に、残りの12月分の給与を予測します。12月の給与は、11月末には確定する会社が多いと思うので、ある程度予測できるはずです。予測が出来たら、給与明細で確認した1~11月までの給与・ボーナスに12月の予測給与を足し、平成30年1~12月の年間収入(見積額)を算出してください。

スポンサーリンク

手順②:収入から給与所得(見積額)を計算する

続いて、手順①で算出した年間給与収入を次の計算式に当てはめて、今年の給与所得(見積額)を計算します。

給与所得の求め方1
国税庁ホームページ「平成30年給与所得者の配偶者控除等申告書」裏面より引用

例えば、年間収入が150万の場合は、上記表の上から2番目(651000円以上~1618999円以下)に該当するので、

(A)1500000円-650000=(C)850000円

となり、給与所得(見積額)は850000円となります。


手順④年末調整書類に給与の収入・所得を記入する

赤①に手順②で計算した収入金額、青②に手順③で計算した給与所得金額を記入してください。

配偶者控除等申告書6


合計所時金額(見積額)の計算方法と書き方

最後に合計所得金額(見積額)を計算し、記入します。赤①赤②を足した金額を赤③に記入してください。

配偶者控除等申告書7


終わりに

お疲れ様でした。以上が、年末調整における給与と年金がある方の合計所得金額(見積額)の計算方法と書き方になります。

年末調整の書き方でお困りの方は、ケース別に年末調整記入例をまとめた、こちらの記事も是非参考にしてみてください。

【参考記事】
2018(平成30年)年末調整書類の書き方・記入例ケース別まとめ!

それでは今日も最後までお読みいただきありがとうございました。この記事が少しでもあなたのお役に立てると幸いです。

スポンサーリンク

おすすめ記事

気になるノート。TOPへ戻る 年末調整の気になる
サブコンテンツ

このページの先頭へ